いつ米国は利上げするのか。手掛かりを見つけ出そうと、市場が注目した3月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)。だが、雇用の改善が順調に進む一方で物価が十分上昇せず、金利見通しを下方修正。金融政策の舵取りの難しさをにじませた。
「米国経済のファンダメンタルズは非常に強く、利上げを遅らせるべきでない。景気循環サイクル上、最終局面に来ているのに、これでは、十分金利を上げきれないおそれがある」(三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦・主任営業推進役)という指摘も飛び出している。
一方、声明文や記者会見でイエレン議長が何度か言及したのがドル高への懸念。米プリンストン大学のポール・クルーグマン教授も、ニューヨーク・タイムズのコラム(3月13日付)で、「ドル高ユーロ安は米国の成長を非常に阻害する。ポリシーメーカーたちがドル高の持つ意味を十分考慮に入れているのか、確信が持てない」と言及。ドル高への警戒感は高まっているようだ。
ドル高は米国や世界経済にどんな意味を持つのか。
JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジストは、米国にとってのドル高の功罪を次のように整理している。
プラス面は、米国の輸入が拡大し(図表1)、日本や欧州、中国など新興国の輸出が拡大すること。また、ドル高で米国企業による海外企業の買収も進みやすくなる。
拡大する
一方マイナス面は、米国企業の海外業績がドルベースで目減りすることだ。さらに、シェールガス開発の追い風を受けた米国製造業の国内回帰の動きが弱まることも考えられる。金融政策を担うFRB(米国連邦準備制度理事会)にとっては、ドル高によって米国の輸入物価が低下し、2%のインフレ目標が後ずれしてしまうリスクもある。
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