中国主導で設立準備が進むアジアインフラ投資銀行(AIIB)。3月中旬以降、英国を皮切りに欧州主要国の参加表明が相次いだ。
中国政府はAIIBを「一帯一路」構想とペアで推進する。「今年5~6月に原案の公表が予定される第13次5カ年計画(2016~20年)で、この双方が重要な柱として位置づけられるのは確実だ」(キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之研究主幹)。
中国のメディアはこれらの計画を「中国版マーシャルプラン」と呼ぶ。第2次世界大戦後、米国が欧州諸国に復興援助を行ったのがマーシャルプランだが、この無償贈与資金が元となって当時、世界の工場だった米国からの輸出が拡大。終戦後の支出不足による景気後退を免れて「黄金の30年」といわれる世界経済拡大期を迎える端緒となった。
現在、ドイツを筆頭に貿易黒字国はその黒字を貯め込み、世界的に貿易量や需要は停滞ぎみだ。こうした中、「AIIBによる資金がアジアのインフラ整備に活用され、工業国からの輸出が増える」という構図が、マーシャルプランを連想させている。
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アジア開発銀行(ADB)の試算によれば、図表2のようにアジアのインフラ投資必要額は10~20年の10年間で8兆ドル(960兆円)。一方で発足当初のAIIBより資本金が約1.5倍大きいADBの年間支援額(融資主体)は210億ドル(13年、約2.5兆円)。仮にAIIBも同程度と考えると、これは中国のGDP(国内総生産)の約0.2%に相当する計算だ。
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元祖マーシャルプランの年当たり資金量は当時の米国GDPの0.5%であり、AIIBの規模はやや劣る。
中国は現在、重工業の過剰設備問題を抱え、14年のGDP成長率は7.4%とかつての10%成長から減速中。だが不動産バブル懸念が強く、財政出動の手は封印する。「そこで過剰設備の起死回生策として期待されるのがAIIB。中国は、アジアのインフラ整備で自国からの輸出を念頭に置いている」(大和総研の齋藤尚登シニアエコノミスト)。
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