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非製造業にもポジティブ 緩やかな円安インフレは

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  • 伊藤 高志 野村証券 エクイティ・マーケット・ストラテジスト

3月3日、内閣府が「企業行動に関するアンケート調査」の2014年度分を公表した。この調査は毎年1月に、東京、名古屋の証券取引所に上場する全企業(今回の場合2445社)に対して行われる。内容は、景気の見通しや設備投資の動向、雇用の動向など多岐にわたるが、この調査で最も関心の寄せられる項目が、企業が答える「採算輸出レート」(以下採算レート)であろう。

アンケートの調査票は内閣府のホームページで公表されている。採算レートについては、「現在の時点で、採算のとれる対米ドル円レートは1ドル=何円程度までかお答えください」との説明がある。「採算がとれる」とはいろいろな解釈のできる表現で、これだけでは採算レートが、1.前年度を上回る利益を確保できる為替水準のことなのか、2.これ以上円高(あるいは円安)になると赤字になってしまう為替水準なのか、はっきりしない。

おそらく、回答する企業側もあまり堅苦しく考えずに、「居心地のよい」為替水準を記入している可能性が高い。

そう考える一つの根拠は、12年2月28日に公表された、平成23年度(11年度)の調査結果だ。11年度の採算レートは1ドル=82円と、前年調査の86円から4円も円高方向にシフトし、調査開始以来の円高水準となった。

一般的に、企業が何の手立ても講じないのに採算レートが大きく変化するとは考えにくい。特に、輸出企業が多い日本の産業構造下では円高方向への採算レートの変化に相当の企業努力が必要だろう。11年度といえば、期のスタートする直前の3月11日に東日本大震災が起き、下期にはタイの大洪水により生産の停滞を余儀なくされた年度。常識的に考えて、当時の日本企業、とりわけ製造業に、意識して円高に強い企業体質を獲得できるだけの余裕はなかっただろう。11年度の採算レートの円高へのシフトは、生産拠点の海外移転などにより、円高に対する抵抗力を企業がすでに身に付けていたことを事後確認したにすぎない、と考えられる。

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