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需給に変調あり目先円高も 基本シナリオは円安だが

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

2014年暦年の経常収支は2兆6266億円の黒字で、比較可能な1996年以来で最小の黒字となった。主として貿易収支が過去最大の赤字を記録したことを受けた結果だが、昨年下半期(7~12月合計)に限って見れば、10年下期以来、8期ぶりに前年比で赤字額が縮小し、改善傾向が明らかだ。

これは、あくまで原油安を背景とした改善であり、原油価格次第では再び悪化する懸念もはらむ。だが、このまま行けば15年の経常収支は10年以来、6年ぶりに改善しそうである。円売り優勢という需給環境に大きな変化はないと思われるが、仮に、貿易収支が断続的に黒字になれば、市場参加者の心理面に与える影響は無視できない。

筆者は円相場予想の指針として、基礎的需給バランス(以下、基礎的需給、図表1)という計数を作成し、参考にしている。これは国際収支統計のうち、経常収支、直接投資、銀行・政府部門以外の対外証券投資、対内証券投資を合計したものから、外貨のまま海外に残る再投資収益を控除した計数である。要するに為替に影響を持ちそうな項目だけ積み上げ、需給のイメージを表現したものだ。

[図表1]
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円安バブルと呼ばれ、円キャリー取引を筆頭とする投機的取引が隆盛を極めていた05~07年を除けば、基礎的需給の方向感はおおむねドル円相場の方向感と合致してきた。

現状を見ると、昨年10~12月期の基礎的需給は4四半期ぶりの円買い超過(4兆5134億円)である。これには二つの要因がある。

まず、対外証券投資(国際収支上、資本流出で、マイナス)が、前期(7~9月期)の約7兆円から約7000億円へと約10分の1に縮小したことが円売りフローの大きな減少につながった。だが、こうした流れが定着するとは思えない。対外証券投資は昨年1~9月期合計で約13兆円もの円売りを記録していたことを踏まえれば、10~12月期の失速は反動減と解釈すべきだろう。

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