有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #為替観測

米政府当局のドル高牽制に注意 円高圧力を強める3つの理由

3分で読める 有料会員限定
  • 佐々木 融 ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト

今年に入ってから2カ月が経過したが、この間の主要通貨の騰落率を見ると、スイスフランが圧倒的に強くなっている。これはもちろんスイス国立銀行による対ユーロ相場の上限撤廃によるものである。そして、2番目に強い通貨が意外にも円となっている。

円は2013年には最弱通貨となり、14年も北欧の通貨に次いで弱い通貨となった。筆者を含め、多くの市場参加者は15年も円は弱い通貨となると予想していた。ところが、今年は今のところ、主要通貨の中で強い通貨となっている。なぜだろうか。理由は三つほど考えられる。

第一には他の中央銀行が盛んに予想外の利下げ、金融緩和を行った結果、日本の超低金利がさほど目立たなくなってきていることである。

今年に入ってから予想外の利下げを行った中央銀行は、カナダ、オーストラリア、スウェーデンなど少なくとも七つある。これに加えてECB(欧州中央銀行)は予想以上の量的緩和政策を導入した。この結果、他主要国の平均金利と日本の金利との差は急速に縮小している(図表1)。

[図表1]
拡大する

これでは、ファイナンス通貨、資本調達通貨としての円の魅力は減少してしまう。

円が強い通貨となっている第二の理由としては、ボラティリティ(変動性)が高水準となっていることが考えられる。

これにはギリシャ問題や、ロシア・ウクライナ間の緊張なども影響しているが、各国の中央銀行があまりに市場にサプライズを与えることを狙うようになってしまったことも関係しているだろう。当社が算出する主要通貨のボラティリティ指数の水準は昨年半ばの5%程度から現在では10%とほぼ倍まで上昇している。投資家の不安心理の高まりは、既存のポジションを閉じるという行動を通じて円の買い戻しとなる。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数