FRB(米国連邦準備制度理事会)は1月のFOMC(連邦公開市場委員会)声明で、「エネルギー価格の下落が家計の購買力を押し上げ」との文言を追加するなど、景気判断を上方修正した。米国の消費者センチメントは大幅に改善されており、その原因は主にガソリン価格の下落にある。FRBが米国経済に楽観的な見方を示したことは、年内利上げの可能性を高めるものだ。
ただ、一方でFRBは、エネルギー価格の下落を大きく反映して、短期的にはインフレ率の低下がさらに進むとの見通しを示した。一時的なエネルギー価格下落の影響が消えればインフレ率は上昇するとの見通しを示しているが、一時的でなければ低インフレに配慮した低金利政策が長期化するだろう。
今回、雇用とインフレの目標に向けた進展を評価するうえで考慮する情報に「国際情勢の解釈」を加えたのは、原油安が世界経済に与えるマイナス効果を懸念しているからだろう。FOMC声明を受けて米国の金利は低下した。景気判断よりもインフレ判断のほうに反応して、市場の利上げ期待が後退したのだ。インフレ判断が金融政策のカギを握るとの見方が多いのだろう。
1月は「原油安」「ECB(欧州中央銀行)の量的緩和によるユーロ安」の二つの材料がドル高方向に作用し、ドル実効為替相場は直近のピークを更新した。ただ、「米国の金利低下」や「原油安によるリスク回避」は円高方向に作用するため、ドル高円安には歯止めがかかっている。
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米国の金利低下やドル安の方向に作用した要因が、米国の賃金動向だ。時間当たり賃金の前年比上昇率はコアCPI(エネルギー、食品を除く消費者物価指数)の前年比上昇率を上回る2%前後で推移してきたが、2014年12月はコアCPI上昇率1.70%を下回る1.65%へ低下した。失業率が低下を続ける中で賃金上昇率が下がったことは、サプライズとなった。
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