年初から金融市場は不安定な状況が続いている。先行き不透明感、リスク回避姿勢の強まりから、円安にはブレーキがかかった。こうした状況には当面変化はなく、ドル円相場は1ドル=115~120円の間を中心に方向感なく、値動きの荒い展開となりそうだ。
原油価格は昨年末から年初にかけて急落しドルベースで見て昨年夏の半値以下になった。値動きはまさに「つるべ落とし」の様相を呈しており、一部産油国や石油関連企業に対する不安感を高めている。
ギリシャでは政局不安が台頭。すでに財政緊縮反対派が総選挙で多数を占めるに至ったが、これも欧州債務問題をあらためて意識させた。これらが米国株の調整局面をもたらし、結果として「リスク回避=円買い」という連想から円は全面高となっている。
さらに「スイスフランショック」も円高に一役買っている。スイス中央銀行は、2年余り維持してきたスイスフランの対ユーロでの上限レート1.20を突然放棄した。ECB(欧州中央銀行)による量的緩和実施が確実となり、それに伴うユーロ安圧力の高まりを前に、もはや無制限介入による防衛は維持不可能と見て白旗を掲げた形だ。これによってスイスフランは急騰し、一部投資家・投機筋・金融機関が損失を被るなどもあり市場に混乱をもたらした。
そしてECBは1月22日の理事会で予想どおり量的緩和の導入を決定した。市場では毎月500億ユーロの資産購入を予想していたが、それを上回る600億ユーロとなり、それを少なくとも2016年9月まで続けることとしている。そのため「材料出尽くし」とはならず、ユーロはさらに安値を更新する展開となった。
ECBが量的緩和に踏み切りユーロ先安感が鮮明になったことで、円先安感は相対的に弱まっている。昨年は日本銀行による量的緩和・追加緩和を背景に円先安感が際立ち、円を売っておけばよかった。しかし今年はユーロ売りが市場のテーマとなり円安の勢いをそいでいる。強い順番にドル、円、ユーロという力関係は不変。だが、ドルと円の格差は縮小した。
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