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日銀の緩和策への教訓 スイス中央銀行の撤退が示す

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

1月15日、スイス国立銀行(SNB)は、スイスフラン(以下フラン)の対ユーロの上限であった1ユーロ=1.20フランを撤廃すると発表した。これによりフランは対ユーロで一時約40%も上昇。輸出企業への悪影響を懸念して同国株価は大暴落した。

決定の2日前にダンティーヌSNB副総裁が「スイスフランの上限は今後も金融政策の基礎」と断言していたことに照らせば、今回の政策変更は文字どおり奇襲であった。決定に至った経緯に関し、声明文では「対ユーロでの騰勢は依然として続くものの、対ドルで十分下落しているため上限設定は撤廃する」と述べられたが、これは建前だろう。

上限撤廃に至った真の理由は、やはり中央銀行の信認維持にかかる部分が大きかったと思われる。2011年9月以降、SNBは1ユーロ=1.20フランに固定すべく、無制限にユーロ買い・フラン売り介入を行ってきた。だが、昨年来のユーロ相場下落に伴い、SNBの抱える潜在的な為替差損は膨らんでいた。

国債購入を含め、今後ECB(欧州中央銀行)が緩和路線に執着するであろうことを踏まえれば、ユーロ相場の先安観は相当に強い。ユーロ買い介入のもたらす損失、その先に予想される中銀の債務超過を見据えれば、もはやユーロを買い進めることはできないとの判断はうなずける。

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