今年のドル円相場は、年前半に1ドル=(以下同)120円台から99円台まで急落した後、年後半はおおむね100~107円のレンジ内での動きに終始している。トランプ氏が予想外に大統領に当選した直後は急速にドル高が進んだが、それでもレンジは変わっていない。為替相場の難しいところは、レベル感がつかみにくいことだ。特に今年のように短期間で大幅な変動があると、現状が円安レベルなのか円高レベルなのか、意見が分かれてしまう。
そこで、過去10年間のドル円相場を振り返ってみよう。過去10年間のレンジは、ピークが2015年6月5日につけた125円台後半、ボトムが11年10月31日につけた75円台半ばとなっている。現状のドル円相場はちょうど過去10年間のレンジの中間点にある。現状の水準は均衡レートに近いのだろうか。
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07年6月22日の124円台前半から約4年半かけて75円台までドル円が急落した背景は、最初はリーマンショックを受けた市場のリスク回避志向の高まりだったが、その後は金融政策を含む日本の政策に対する極端に悲観的な見方の強まりだった。11年3月の東日本大震災の後も、日本の潜在成長率を高めるための根本的な対応策が取られず、期待インフレ率も高まらなかったことが、実質金利を押し上げ、円相場が極端な円高方向に振れた。
もっとも、その後の動きを見ると、これは日本政府・日本銀行の政策に対する「過度に悲観的」な見方に基づくものであったといえそうだ。
なぜなら、ドル円相場は12年11月14日に当時の野田佳彦首相が解散の意思表示を行っただけでその日のうちに79円台半ばから80円台前半まで上昇し、安倍晋三氏が首相に就任した同年12月26日には85円台に、黒田東彦氏が日銀総裁に就任した13年3月21日には96円台に乗せていた。特に何もしないうちに20円程度、円安方向に戻したのである。
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