米国大統領選挙の開票速報と重なった9日の東京市場は、トランプ候補が優勢だと伝わるたびに下値を切り下げ、日経平均株価は前日比919円安と大幅安で引けた。アジアの各市場も大きく下げ、「トランプショック」が駆け巡った。
ただトランプ氏の勝利宣言を受けて経済政策への期待感が高まると、状況は一変。欧州市場はマイナスからプラスに転じ、NYダウ平均株価(ダウ工業株30種平均)は一時、過去最高値を上回るなど大幅高となった。
まさにトランプ氏に振り回された株式市場だが、その根底にあるのは、政策スタンスが読めないという「不透明感」だ。市場は見えないものを最も嫌う。こうしたたぐいの不透明感は、就任してしまえばしだいに薄れていくものだが、今後しばらくはトランプ氏の一言一言に振り回される神経質な展開になるだろう。
ただ、考えるべき問題はその先にある。大統領が2期8年を勤め上げる通常のパターンを想定すると、10年先の米国の姿が重要だ。
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図表1は、NYダウの年間騰落率の10年移動平均だ。これを見ると、一定の間隔を置いて上下に振れていることがわかる。ピークは1928年、59年、98年、ボトムは14年、38年、74年、2009年だ。ピークから次のピークまで、ボトムから次のボトムまでの期間は最短24年、最長39年。平均すると33年で、100年で3サイクルの騰落の波が発生していることになる。
ピークを見ていくと、28年は世界大恐慌に陥る前年で、第1次世界大戦後、米国経済が最も繁栄した年だ。59年は第2次世界大戦後のピーク、98年はソ連崩壊後のピークだ。一方でボトムは、いずれも景気が最も悪化した局面に当たる。
米国のみならず世界的な経済の混乱が何らかの軍事的な動きをもたらし、勝者になった米国が、世界経済の回復と拡大の過程で繁栄を享受したという形になっている。
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