まさかの結末に世界が驚愕した。
11月9日に判明した米国大統領選挙結果。大方の予想を覆し、共和党候補のドナルド・トランプ氏が当選を果たした。政治経験なし、70歳という史上最高齢での就任と、まさに異例尽くしだ。
不法移民を強制送還させ、メキシコとの国境に壁を造る。TPP(環太平洋経済連携協定)は就任初日に離脱すると明言し、中国からの輸入品には45%の関税を課すと言い放つ。その主張は文字どおり過激だ。
社会的対立を象徴
そんなトランプ氏に対する拒否反応は根強い。開票翌日、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーア氏は自らのツイッターに「米国版ブレグジットだ。6月、英国はEUを離脱する票を投じた。そして昨日、米国は米国から去る票を投じた」と書いた。人気歌手のレディー・ガガ氏は「愛が憎しみに勝つ(Love Trumps Hate=Trumpは「勝つ」という意味)、優しさのある国に私は暮らしたい」とのメッセージをつづった。
当初、泡沫候補といわれたトランプ氏がなぜ当選したのか。双日総合研究所の吉崎達彦チーフエコノミストは「これまで政治的に相手にされなかった白人貧困層に初めて目を向けたのがトランプ氏だった」と指摘する。従来型の人種的・性的な差別だけではなく、貧富の格差を背景に、米国では新たな社会的対立が起きつつある。トランプ氏は過激な発言によって、その変化を巧みにとらえた。
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