最近の世界の資産市場において、特徴的な動きが二つある。一つは資源価格の高値安定、もう一つは主要国での金融緩和見通しの退潮だ。これらが示すのは、金利の上昇であり、それはすでに始まっている。さらに、いずれかの動きにさらに焦点が当たるならば、2017年にかけて、債券から株式へという資金の流れが生じる可能性がある。
もちろん、株式が選好されるといっても、景気拡大を見越したものではない。最近の低体温経済・割高資産市場ではお決まりともいえる、消去法的な選択の結果としてだ。
二つの動きを詳しく見ていこう。原油をはじめとした資源価格は、年初にかけて大きく下げたが、ここにきてじわじわと上昇し、資源国通貨や新興国株式に債券、さらには先進国のハイイールド債券、エネルギーセクターの株式の追い風になっている。
もちろん、原油価格が上昇し続けるかは不透明だ。OPEC(石油輸出国機構)は11月30日にウィーンで総会を開くが、ここで減産合意ができるかは微妙なところ。合意したとしても、裏で生産を拡大させる“裏切り”もありえる。
OPEC加盟国以上に生産量の大きい、米国やロシアなどの非加盟国がどう動くかも懸念される。米国では、原油在庫の減少に呼応するように、石油掘削装置(リグ)の稼働数は反発しており、足元の生産量は拡大基調にある。
それでも原油価格が現状の1バレル=50ドル程度で推移すれば、昨年後半に比べて10%以上高い。ECB(欧州中央銀行)が注視する総合インフレ率の上昇につながるほか、先進国のエネルギーや素材、資本財といった企業の業績にもプラスで、債券から株式への流れをサポートするだろう。
次に、金融緩和見通しの後退について見ていこう。金融政策の市場織り込み状況を測るOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、主要通貨で長めの金利が上昇している。これは、米国では利上げの織り込みが進み、日本やユーロ圏、英国で追加緩和を織り込む向きが後退していることを示す。
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