アメリカ人の通勤「マイカー」が増えそうな兆候 感染リスク恐れて電車ガラガラ、道路は渋滞

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パンデミック前に約550万人が地下鉄やバスで通勤していたニューヨーク市でも、市民は自家用車の必要性を検討している。

子ども5人とブルックリンに住む夫妻は、これまで自動車を所有したことがなかったが、4月初め、ついにホンダのオデッセイを買うことを決めた。「地下鉄を使っている自分たちをすごく誇りに思ってきたが、今は出掛けるのに自動車が一番安全だ」と夫は話す。

公共交通機関の通勤を禁じる企業も

ニューヨーク証券取引所や一部の企業は、従業員に公共交通機関による通勤を禁じた。

オンライン自動車販売のトゥルーカーの調査によると、自動車を購入もしくはリースする米国民の8%は、一番の理由として公共交通機関を避けたいからと答えた。

しかし自動車に移行する市民が増えれば渋滞のリスクが高まる。米研究者チームの調査によると、首都圏で4人に1人が公共交通機関から自動車に切り替えると、個々人の通勤時間は最大20分長くなりそうだ。

調査に加わったバンダービルト大エンジニアリング学科のダン・ワーク教授は「当局者らが市民に公共交通機関の安全性を説得できなければ、恒久的なシフトになる」と言う。

公共交通機関の幹部らは信頼を回復するため、アジアや欧州の都市を参考にしようとしている。体温チェックの制度化やフェースカバーの着用義務化、座席やホームで対人距離を確保することなどだ。

発券機からエレベーターのボタン、手すりに至る清掃や消毒の徹底は、すべての交通局によって実施済み。ニューヨーク市では、こうした追加的な衛生対策による年間コストは最大5億ドルに上る。

(Tina Bellon記者)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事