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イタリア再生を託された「謎のクルマ屋」の正体 "名車の父"の魂は経済再開に明かりを灯すか

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  • 越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

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ダラーラ社のレースカーシャーシのアッセンブリーライン(写真:ダラーラ社)

「3月12日に発令された『イタリア全土における外出禁止政令』は、私たちの日常となりました。いまだに私が許可書類を手に出かけるのは、近くにあるスーパーマーケットだけです。屋外にいる誰もが不安げな表情に満ちており、一刻も早く家に戻ろうと早足になっているのがわかります」

こう語るのは、3月16日配信の記事「イタリア北部で今いったい何が起こっているか」でコメントを寄せてくれた、モデナ在住の自動車メーカー勤務R氏だ。同記事でも触れたとおり、イタリア北部は新コロナウイルスによって深刻な状況に追い込まれている。ただし、未来に向けての明るい兆しもようやく見えてきたようだ。

「この不自由な生活にも、そこそこ慣れてきました。リモートワークでの仕事も適度に忙しく、気がまぎれます。そして、感染者数がピークを過ぎたという報道で、私たちは少し前向きな気持ちになってきています」

自動車産業に広がる"連帯の輪"

イタリアでは、5月4日から限られた人員がオフィスへの出勤を許可される、いわゆる「フェーズ2」への移行が予告されている。その実施に関して、さまざまな議論が起こっているというのが現状だ。もちろん、レジャーなどを目的とした外出は引き続き禁止される。

「フェーズ2に向けての対応マニュアルが、会社から全従業員に届きました。従業員は施設に入る前に体温を測定する。勤務シフト、社員食堂のオペレーションが変更される。全員に使い捨て手袋とマスクを1日2枚配布し、リスクを下げるという案内です。少しずつですが今までのような日常へと戻っていく気配にワクワクしています。それは今までとは少し違う、新しい社会の誕生となるかもしれないと私は思うのです」(R氏)

「モーターヴァレー」と称される、モデナを中心としたエミリアロマーニャ州においては、現状、ごく限られた人のみがオフィスで勤務することが許されている。自動車メーカーやサプライヤーに勤める彼らは、こうした困難にもかかわらず、皆を救うためにさまざまな試みを行っている。

フェラーリやランボルギーニをはじめとする現地のメーカーは、世界的な産業規模でいえば、まがうかたなき中小企業である。そのフットワークの軽さを生かし、自前で動かせる設備を使って、彼らは知恵を絞っている。フェラーリからは人工呼吸器バルブと防護マスク部品の生産を開始したというニュースも流れてきた。

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