『管理部門は転職できない?』(34歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談

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処方箋:『バックオフィス勤務者にとって大きなチャンス』

 昨年あたりから、日本は十年に一度の売り手市場を迎えています。これは、景気が回復する中、長く続いた採用抑制の反動で各社一気に採用数を増やしたこと、さらに今年から始まる団塊世代の定年が重なったことなどが理由です。新卒はもちろん、即戦力性の高いキャリア採用市場でも、あと五年は買い手泣かせの売り手有利な状況が続くはずです。

 さて、この売り手市場ですが、実は過去の好況時(バブル期、ITバブル期など)と比べると、少々変わった特色が見られます。それは「意外と管理部門求人が多い」という点です。

 先述のように、この手の職種は普段はあまり募集していません。これは過去の売り手市場と言われた時期でも変わらず、よく言えば安定、悪く言えばニーズが無かったんですね。

 ところが、そういった部署でずっと実務を見ていたベテランの多くが、これからの数年間で定年を迎えるわけです。これまで新卒を配属せず、後継者の育成を怠ってきた企業の多くが、慌てて即戦力の確保に走り始めています。つまり、キャリア採用ですね。

 ですので、紹介会社に登録すれば、思わぬ優良企業から声がかかるかもしれません。30前後のバックオフィス勤務者にとって、これは大きなチャンスと言えるでしょう。

 最後に一つ。会社の売り上げと、従業員として働く幸福度は、案外、比例しないものです。勤務地についても同様ですね。実家があるならともかく、地方から上京して働くなら、可処分所得は一気に半減するはずです。

 世間体や社名といったブランドにこだわらず、ご自身のキャリアをより活かせる方向で、転職先を検討してみてください。きっとよりよい会社が見つかるはずです。

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