マツダ「最も美しいコンセプトカー」の全貌 マツダ
今回の「ITALIA」とのコラボレーションは、そうした現状に突きつけたアンチテーゼというわけだ。
「私自身も無類のクルマ好きですが、いつの時代も女性が宝石を愛でるように、クルマ好きはいなくならないと信じています。マツダはクルマが好きだという気持ちを大切にしたい。そして、クルマに乗る楽しさや、走る歓びを追求し続けたいのです」
新たなアプローチで高まる次世代モデルへの期待
では、具体的にマツダの次世代モデルはどのような方向性を目指すのだろうか。
「マツダはずっとクルマに命を与えることに取り組んできました。しかし、実際は鉄の塊ですから、ボディは変化しません。では本当に生きているように見せるためには何をすればいいのか。その回答の一つが『マツダ VISION COUPE』であり、今回のイベントで表現したボディへの映り込みを意識したデザインなのです」
人は、光が対象のモノに当たることでその形を認識する。見る場所によって光の当たりかたが変わり、認識する形が変われば、鉄の塊であるクルマがまるで動いているように見えるというわけだ。実際、今回展示された『マツダ VISION COUPE』は、前・横・後ろと見る場所を変えるとまったく異なる形に見える。見るたびに違う発見があり、映り込む景色が変わるたびに、鉄のボディが生きているかのように変容する。
その美しい様は、優美な曲線と相まって洗練された美しい近未来の生命体のようでもあり、見飽きることがない。
“インスタ映え”するクルマとも言えよう。
「この曲線はデジタルでつくったものではないので、量産するには課題もありますが、今後取り組む次世代モデルのひとつの方向性を示していることは間違いありません。これからも、感覚を磨き続け、クルマに命を吹き込むという試みに挑戦し続けたいと思っています」
今回の展示は残念ながら10月末で終了したが、「マツダ VISION COUPE」のオリジナル動画がサイトで公開されている。
ぜひアクセスして、「マツダ VISION COUPE」に宿る「魂動」を感じてみてはいかがだろうか。