新垣結衣が魅せる｢チキンラーメン｣の底力 裁判騒動で高須クリニックCMは過去最高

4位のリクルート『タウンワーク』は松本人志がさまざまな職業人を演じるシリーズで、今回はバンドマン役。若年層に人気のロックグループWANIMAのメンバーとスタジオで練習中、ギターを弾いていた松本が、突然、ボーカルに歌詞を変えようと演奏を中断させる。そして「バイトするならタウンワーク！」といつものフレーズを熱唱し、あっけにとられるメンバーたち。CM撮影中にアドリブでフレーズを繰り返し歌う松本に、笑いをこらえるのに必死だったというWANIMAのメンバーの表情にも注目だ。

ガッキーの調理風景がとにかくかわいい

8位は日清食品の『チキンラーメン』。チキンラーメンといえば、1958年に発売されたインスタント麺の超ロングセラーブランドだ。発売当時「お湯をかけて2分でできるラーメン」というキャッチーなキーワードで評判を呼び、爆発的な売れ行きを見せたという。今でも使用されている「すぐおいしい、すごくおいしい」のCMソングは1984年から、キャラクターの「ひよこちゃん」は1992年からCMに登場、CMソングやキャラクターも商品同様に長く愛され続けている。

2003年のCMには国分太一と仲間由紀恵が出演し、麺の中央部にくぼみを付けて卵をのせやすくした「たまごポケット」を「45年目の大発明」としてアピールした。2011年には、人気子役だった芦田愛菜が「ひよこちゃん」の着ぐるみで登場し、大ヒットを記録した。

新垣結衣のCM起用は2013年7月から、今年で4年目となる。これまでにもチキンラーメンの味の特徴を生かして、煮込み、つけめん、かまたま、とろふわなどの簡単にできるレシピ提案をしてきた。

今回はチキンラーメンの「たまごポケット」に卵を落としてゆっくりとお湯をかけると、商品パッケージのように白身が白くなる「しろたま」の作り方の秘訣を、新垣結衣が教えてくれるという内容。モニターからは、「おいしそう」「作ってみたい」「食べたくなる」のシズル感とともに、新垣の作っている様子が「かわいい」との意見が多数あった。また、「発売当初からの常備食」と答える70代の女性もいるなど、長寿商品としての底力も見せつけた。

もう1作品、同時期にオンエアされたのが『チキンラーメン』のキャラクター「ひよこちゃん」と、アキタのブランドたまご『きよら』の「きよニャ」（参照：「主婦をメロメロにした『卵のCM』誕生の舞台裏」）とのコラボ作品だ。このコラボCMのキーマンは、株式会社catchの福部明浩氏。福部氏はこれまでに日清食品『カップヌードル』のCMで、錦織圭が侍姿でラケットを木刀に持ち替えてテニスをした「SAMURAI-K」篇、甲冑（かっちゅう）をまとった7人の侍がスキーやサーフィンなど驚愕のパフォーマンスを披露する「7SAMURAI」篇を手がけるなど、今、最もヒットCMを量産するクリエーターとして注目される1人だ。

『きよら』のクリエーティブディレクターでもある福部氏が、日清食品の担当者から「チキンラーメンのひよこちゃんにもきよらのお布団を掛けに来てくれたら良かったのに」と話したのを聞いて、企画を提案。元々、卵との相性が非常によい『チキンラーメン』と『きよら』とのコラボが実現したのだという。ヒットクリエーターが仕掛ける人気キャラクターの異色の共演に、大いに期待したい。