「お金が貯まる人」はウェブ情報を過信しない お得の神は「紙」に宿る

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また、新生活の手続きで自治体の役所に出向く場合も、ぜひ掲示板や小冊子に注目しよう。役所にはとりわけ紙モノが多い。自治体の無料イベント情報やバザー、スポーツ施設の案内なども見つかる。

筆者の近所にある区の出張所では、300円で利用できるボディ・トレーニング・メニューの案内が入手できたし、優待料金で宿泊できる提携保養所の利用案内も置いてある。役所はまだまだ紙ベースでの情報発信が多いので、住民でも知らなかったサービスに気づくかもしれない。

旅行先のオトク情報は、紙に始まり紙に終わる

出張でもレジャーでも、紙モノは滞在先で頼りになる。特に宿泊するホテルは紙の宝庫。フロント回りには近隣の飲食店情報がまとまった冊子があることが多いが、その店で使えるクーポンがセットになっている場合もある。行こうと思っている店がそのクーポンの対象店なら、使わない理由はない。

筆者が先日利用したホテルでは、宿泊カードキーを見せれば割引が受けられる店のリストも、さりげなく部屋に置かれていた。チラシを見てどうせ何かの宣伝だろうとスルーせずに、ひとまず手に取ってみよう。観光スポットのチラシも実は役に立つ。よく読んでみると、送迎用の無料シャトルバスの情報が掲載されていたりして、運よくそれに気づけばタクシー代が浮くわけだ。

余談だが、筆者は沖縄にプロ野球キャンプ見学に行くのが恒例で、航空会社はスカイマークを利用することが多い。スカイマークの機内誌を読んでいて、その中の広告で知ったのだが、スカイマーク搭乗者限定のオリックスレンタカー特別料金プランがあるという(事前予約が必要)。レンタカー代が割引になるうえに、共通ポイントPonta も貯まるとある。レンタカー利用時にスカイマークの搭乗券を提示する必要があると記載されているので、利用する際には、この紙をむやみに捨てないよう気をつけよう。

旅行のオトク紙モノは、これ以外にもさまざまなスポットに潜んでいるので、また機会を見てじっくり紹介したい。

もちろん、これらのサービスをネットで検索することもできるだろう。しかし、「知らない」ものを効率よく検索するのは困難だ。今回ご紹介したものに共通するのは、その場にいる特定の人に向けたオトク情報だということだ。その路線の駅を利用する人、その映画館の近くにいる人、その地域に住む人、その場に旅行で訪れる人。まさに、ある限定された場所にいる人だけが手にできる「紙」は、ウェブとはまた違った面でしっかりターゲッティングされたツールともいえる。節約の神は案外身近なところにいて、私たちを見守っているのかもしれない。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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