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松下幸之助「日本は風格ある国家を目指せ」 経営の神様が問わず語りに語ったこと

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  • 江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問

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「国を永遠に発展させようと願うなら、国としての方針が大事」(写真:編集部)
江口克彦氏の『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営の奥義について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げるヒットになった。本連載は、この『経営秘伝』に加筆をしたもの。「経営の神様」が問わず語りに語るキーワードは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

 

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三つ目の国是ということやけどな、国の方針というようなものが、日本には、なんもないな。国を永遠に発展させようと願うなら、国としての方針が大事や。そやろ。

百メートルの短距離を走るのなら、ゴールも見えるし、だから、スタートのときに、よし、がむしゃらに走ったろうということだけでええけどな、マラソンとなったらそうはいかんやろ。いろいろ方針を立て、対策を考えんといかん。

なぜ国の方針が必要なのか

国としての方針が、いらんという人は、まあ、短期決戦で国を考えてるようなもんやな。また、そうした方針がないと、社会はスムーズに進んでいくということは、難しいわね。だから、社会全体に無駄な動きが多くなる。いま税金の話をしたけど、そうなれば当然、税金がよけいに要ることになるんや。税金を少なくするためにも、国の方針というものは、必要やな。

しかし、それはともかく、これからの日本を考えると、なんとしても方針を立てんといかんね。今まではまだ、うん、それはあったほうがよかったけど、無くてもよかったかもしれんな。

それはな、大東亜戦争で日本は負けたやろ。で、国民は、食べるものも着るものも住む家もなくなった。そこで、とにかく食べられるようにせんといかん、寒さをしのげるようにせんといかん。まあ、そう考えて、国民みんな、死にもの狂いで一生懸命働いたんや。誰言うとなく、国も国民も「経済復興」が暗黙の国民的合意になった。別にこれが国是だとか、国の方針だとか鮮明にしたわけやないけど、そうなったと。それは、そういうように、そうなるような条件があったわけやな。

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【これからは違う】

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