東電社長が語る、チャレンジングな人材登用 東京電力 廣瀬直己社長に聞く

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──かつてエリート集団といわれた企画部や総務部も大きく変わっている。

若返りの一環として企画部長が交代したが、企画部の力をそぎたいとか、そんな大それた考えからではない。これまで企画部に集中していた仕事を、経営改革本部の社長直属の部署でやることが増えたので、従来の企画部のありさまとは変わってきている。

総務部も、これまでとは業務範囲が確実に変わってきている。政治家とのお付き合いは予算的にも許されないし、国との役割分担でも正面から議論しないといけないので、仕事の質が違ってきている。そもそも国との役割分担を議論する仕事は従来なかった。

再稼動にはまず反省が必要

──この春公表した『福島第一原子力発電所事故の経緯と教訓』では、東電が「人災を認めた」とも読み取れる。

「天災だ」と言うと「仕方なかった」という結論しか出てこないので、2歩も3歩も、4歩も踏み込んで、「天災だったが、何かできたのではないか、何かしておけばこうまでならなかったのではないか」ということを書き込んだ。今だから言えることだが。

柏崎刈羽原発については、新潟県の泉田裕彦知事や地元は「福島原発事故の検証をしっかりやって、対策をしなければ再稼働はない」と言っている。私たちとしても原発を動かさないと、電力量的にも価格的にも厳しいのは明らか。きちんと踏み込んだ反省をしないと先に進めない。だからこそ、あの冊子では当然のこととして踏み込んだ。

(撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2013年6月29日

週刊東洋経済編集部
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