慶應義塾
-光ポンププローブ法を用いた磁化ノイズ測定で量子化を直接観測-

発表のポイント
◆ 磁石の強さ(磁化)のノイズを光によって計測する新手法を提案
◆ これまで観測困難であった、磁石中のスピンの量子化を観測可能
◆ 磁石のスピンを用いた新しい量子情報デバイスの技術開発に貢献

東京大学物性研究所の佐藤哲也大学院生(同大学大学院理学系研究科博士課程)と加藤岳生准教授、慶應義塾大学の渡邉紳一教授、中国科学院大学カブリ理論科学研究所の松尾衛准教授らによる研究グループは、光ポンププローブ法を用いて磁化のノイズを計測する新手法を理論的に提案しました。また、ノイズを定式化することでノイズ強度に「磁化の量子化」の情報が含まれていることを明らかにしました。これまで観測が困難であった磁化の量子化を、ノイズから直接観測できると示したことになります。

一般にノイズは測定において邪魔な存在とされますが、ノイズに重要な情報が含まれていることがあります。その代表的な例が「磁化の量子化」です。磁化の大きさはとびとびの値を取ると考えられており、磁石と金属の接合を作って金属に生じる電流ノイズを計測する手法が議論されていましたが、電流ノイズ観測の技術的困難によって実現には至っていませんでした。

一方で、近年光計測技術の進展は目覚ましく、磁化を効率よく高速で計測できる技術が開発されつつあります。本研究はそのような光計測技術に着目し、光を用いて磁化のノイズを測定する新提案です。これにより、磁石中で量子化された磁化を用いた量子情報デバイスの開発に貢献すると期待されます。

本成果は、米国の科学雑誌「Physical Review Letters」3月12日付(現地時間)のオンライン版に掲載されました。

▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2025/3/13/250313-1.pdf
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