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キャリア・教育 #ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?

勉強が苦手な子には「感情の上書き」が有効だ もうお手上げ、間に合わないと歎く親へ

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  • 石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家
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ですから、この「固定化された感情」が変わらないかぎり、行動は変わりません。そこで、やるべきことはひとつ。そのネガティブな感情を、別のポジティブな感情によって上書き保存してしまうのです。すると前の感情は消え、新しい感情に入れ替わります。

算数に限らず、ほかの苦手意識にも応用可能

算数嫌いに限らず、悪い感情を持っていることに対しては、このようにして変えていく方法があるのです。この方法は、筆者が公立中の子どもたちなどを指導していた時はよく使ったものです。

さて、質問内容から判断すると、中西さんのお子さんは、算数に対する過去のある原体験があって、それをきっかにして、算数を遠ざけるようになり、その後、塾の算数の先生が嫌だという理由で、算数をさらに遠ざけている可能性があります。

そこで、中西さんの場合は、次のような方法をとってみてください。

「絶対にできる算数問題を繰り返しやる」

これによって、算数に対するネガティブな感情を、ポジティブに上書き保存していきます。

最近習っている6年生の問題をやるのではありません。1つか2つ前の学年の内容に戻るのがいいでしょう。ただ、そのときに前の学年の問題をやるとなると、「僕は算数ができない人間」とか「僕は算数ができないからこんな問題をやらされるんだ」といったネガティブ感情が助長されがちです。ですから、学年が明記された問題集をやるのではなく、算数検定、数学検定のような「級」で表示されているものを使うといいでしょう。「級」というだけで子どもは乗ってくる可能性があります。

ただし、ここで注意しなくてはならないことがあります。それは、「親が欲を出してしまう」ことです。ちょっとできたからといって先を急がせて、難しい問題に取り組ませ、また「算数ができない自分」を引き出してしまわないようにしてください。しばらくは、満点しか取れないような問題ばかりやって、算数の“リハビリ”をして、本人から「簡単すぎてつまらない。もっと先をやりたい」というようになったら、先に進めてください。

この段階までくれば、“リハビリ”は終了であると同時に、算数に対する感情が入れ替わっていることでしょう。感情が変わると行動も変わっていきます。

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