ソニーのエンタメ投資に“実りの秋”が訪れた――。
11月5日、ソニーグループは2027年3月期第2四半期(4~9月)決算を発表。売上高6兆2672億円(前年同期比9.4%増)、営業利益1兆988億円(同42.9%増)と、大幅な増益で着地した。
最大の牽引役はゲーム事業だ。円安の追い風が吹く中、有料会員サービス「PS Plus」やゲームソフトの販売が好調だった。さらに、無形資産の減損損失など、前年同期に計上した一過性費用約500億円も消滅。全社における増益額の半分近くを担った。
「スパイダーマン」新作が歴史的ヒット
サプライズという意味では、「スパイダーマン」シリーズの新作が大ヒットした映画事業のインパクトも大きい。7月公開の「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」は、世界興行収入25億ドルを突破。北米で歴代1位、世界でも歴代3位と市場を席巻し、セグメント利益は前年同期から3.6倍の1173億円まで膨らんだ。
そのほか、第1四半期にスマホ向けのイメージセンサーが好調だった半導体事業も増益に貢献。一方で、EV開発を中止したホンダとの合弁企業、ソニー・ホンダモビリティに関する損失を約300億円計上したが、これによって同社の事業縮小に伴う損失はおおむね出し切りとなった。
とくに7~9月の3カ月間でみれば、売上高・営業利益ともに過去最高の決算となった。陶琳(タオ・リン)最高財務責任者(CFO)は決算発表後の説明会で、「長年エンターテインメント事業へ投資してきて、ようやく毎年大ヒットの作品が出てくるようになった」と、長年かけて築いた事業基盤の厚みへの手ごたえをにじませた。
通期業績予想も、今期2度目となる上方修正に踏み切った。ゲーム・映画といったエンターテインメント事業の上振れにより、売上高13兆円(前期比4.2%増)、営業利益1兆8700億円(同29.2%増)を見込む。従来予想からの上積み額は、それぞれ4.0%増の5000億円、8.7%増の1500億円だ。

すでに2期ぶりの過去最高益を予想していた純利益見通しも、1兆3300億円(前期比29.0%増)に引き上げた。好調な第2四半期決算と上方修正を受け、株価は年初来高値圏で推移している。
なお、7月に発生した熊本地震の影響が懸念されていたイメージセンサー事業では、震災による損失約160億円を計上する。ただ、コスト減や円安によって、セグメント利益では従来予想を上回る見通しが示された。
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