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世界中が注目したアメリカ中間選挙は、ドナルド・トランプ大統領が率いる与党・共和党が上下両院で民主党に多数派を奪還されるという「歴史的敗北」を喫した。トランプ氏は求心力を失ってレームダック化し、アメリカ政治は重大な転換点を迎えることになる。
今回の惨敗によって、政府が提出する法案や予算が通りにくくなるなど、トランプ大統領は内政における主導権の喪失は避けようがない。ただし、トランプ氏の大統領任期はまだ2年残っている。大統領権限で動かせる外交・安保分野で、これまで以上に“暴走”する可能性も否定できない。
木原稔官房長官は11月4日の記者会見で「選挙の結果いかんにかかわらず、日米同盟は外交・安全保障政策の基軸だ」と強調した。政府関係者の間では「トランプ大統領の対日姿勢は何も変わらない」との冷静な見方がある一方、「トランプ大統領に日本の考えをきちんと伝えないと、何をするかわからない」といった強い警戒感も少なくない。
その中で、日本政府がとくに危機意識を募らせているのが「トランプ大統領が対北朝鮮や対中国などでの外交成果を狙う事態」(官邸筋)だ。というのも、日本はこれまで、北朝鮮問題で日本人拉致問題と核・ミサイル問題を包括的に解決するとの立場を維持してきた。それだけに「頭越しに妙な取引をされたら大変だ」(同)と身構える。
さらに、高市政権が進めてきた日米同盟を基礎とした対中抑止の防衛態勢整備についても、「トランプ大統領が一連の国際会議で中国側と接触し、これまで以上の米中連携強化に踏み込めば、中国の対日威圧が強まる可能性」(外務省幹部)も想定される。
ヤマ場が続く高市外交
高市早苗首相はフィリピンで11月15日から開催されるASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議の場において、トランプ大統領との日米首脳会談を模索しているとされる。この席で、高市首相が日米同盟の重要性を踏まえて、対中・対ロ外交などについて日本の立場を説明し、理解と協力を得られるかどうかが、今後の日本外交の大きな岐路となる。
その際、トランプ大統領が日米同盟より米中ロの連携・協力を優先した場合、「日本だけがG7(主要7カ国)で孤立する可能性」(外交専門家)は低くない。「トランプ依存のツケが、今後の日本外交をむしばみ、高市外交の評価が急落する」(自民党長老)ことになれば、高市首相が目指す来秋の自民党総裁選での再選戦略に狂いが生じる可能性も否定できない。


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