高市外交のヤマ場はASEAN首脳会議で終わりではない。高市首相は18日から中国・深圳で開催されるAPEC首脳会議に出席するため、就任後初となる訪中を予定している。政府内には「訪中に先立ってトランプ氏と連絡し、対中戦略を改めてすり合わせるべきだ」との声も相次ぐ。ただ、トランプ氏が応じるかは不透明だ。
自民党内からは「4日の段階では、高市首相は得意のXへの投稿も控えていた。要するに、どうしたらいいかわからないからではないか」(長老)と揶揄する声も漏れてくる。
トランプ大統領は中間選挙前から、米中ロ首脳会談の開催に前向きな姿勢を示してきた。今回の中間選挙惨敗で、習近平国家主席やウラジーミル・プーチン大統領の態度がどう変わるかはまだ不透明ではある。しかし、トランプ大統領が3つの大国で国際社会を制圧する誘惑に駆られ、日本も含むG7各国などの頭越しに「大胆なディール」に踏み込む可能性は否定できない。
その一方で、日本をはじめとする同盟国に対する圧力強化も想定される。高市首相周辺にも「(日米関税交渉で合意した)対米投融資の増額や達成時期の前倒しを求められるかもしれない」(側近)との懸念が広がる。
今後1カ月が高市首相の正念場に
日本国内に目を移せば、臨時国会における与野党の攻防が大きなヤマ場に差しかかっている。最大の焦点である消費税減税関連法案をめぐる4日の与野党協議で、6日の衆院通過に向けて、同日の衆院財務金融委員会への高市首相出席が決まったからだ。
自民党が高市首相に対する野党側の質疑を受け入れることで、同関連法案の6日中の衆院通過を狙ったものだ。野党側は「支援金の対象者や金額などをめぐって高市首相を追及し、答弁内容次第で対応を決める」(国対幹部)としているが、「6日の衆院通過で事実上合意したのが実態」(自民党幹部)とみられている。
これを受けて、同関連法案は9日から少数与党となっている参議院での審議がスタートする段取りだ。ただ、参院はすでに与野党が同関連法案を特別委員会で審議することで合意しており、自民党も衆院のような「数で押し切る戦術はとれない」(参院国対幹部)。
しかも、高市首相は前述のような外交日程をこなすため、日本を離れる予定だ。そのため、「少数与党の参院で会期内に成立させるための審議日程の確保は簡単ではない」(自民党の国対担当者)。
こうした状況に加えて、政界関係者の間では「一連の首脳外交で高市首相の迷走や孤立が際立てば、支持率の低下にもつながりかねない」という指摘もある。自民党内では「臨時国会の会期末である12月12日までの1カ月余りが、高市首相にとって正念場となる」(長老)との見方が広がる。


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