デザインは、ディテールが凝っている。ピクセルをモチーフにしたヘッドライトやフロントグリルなどのグラフィックス、“PANDA”のレタリングをプレス加工したボディパネルという具合だ。リアクォーターピラーにはFIATの文字が入るが、見る角度で違う絵柄が見えるレンチキュラーグラフィックによって、4本の斜め線(これもグランデパンダの車体各所に使われるモチーフ)になる。
今回乗った上級グレード「La Prima」の17インチ径ロードホイールは、「80年代を思わせる幾何学的デザイン」と説明される。私は76年にイタルデザインが自分たちで手がけた「アッソ・ディ・フィオーリ」(のちの、いすゞ・ピアッツァ)のためにデザインした「スカッキエーラ」というロードホイールを連想した(実際にはあまり似ていないけど)。
フィアットの歴史を振り返る、遊び心満点なインテリア
内装にもさまざまな遊び感覚の意匠がある。最たるものは、メーターとインフォテイメントシステムのモニターを囲むように取り付けられた半透明の黄色のオーバルディスプレイだ。中にモデルカーが1台入っている。よく見ると、第1世代のパンダだ。聞けばオーバル形状は、フィアットがトリノに持つリンゴット工場の屋上にあるテストコースの外周路のイメージだそうだ。
この「リンゴットサークル」デザインについて、「随所に採用することで、直線的なエクステリアとの対比により、インテリアには柔らかなリズムとデザインの奥行きを生み出している」と、プレスリリースには説明がある。
リンゴット工場自体への訴求も、デザインのイメージアップに寄与するはずだ。1915年に設計が始まり、1922年に完成した古い工場だが、80年代から90年代にかけてレンツォ・ピアノを招いてリノベーションが実施されて話題を呼んだ。


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