ただ、「シンデレラ」というモチーフの受け止め方は、人によって異なる。幼い頃に憧れたプリンセスとキャバクラ嬢を重ねることで、夜職を憧れの対象として描いているように感じる人がいても不思議ではない。同じ作品でも解釈が分かれるところに、今回の議論の難しさがある。
そして批判が起きた。そこに筆者は以前、別媒体のコラムで取り上げた『ラヴ上等』の炎上と共通する構造を感じた。
『ラヴ上等』はなぜ炎上したのか?
『ラヴ上等』は、元暴走族や少年院経験者など、いわゆるヤンキーの男女による恋愛リアリティーショーだ。「見た目は怖いが、実は仲間思いで優しい」という、ヤンキー漫画やドラマで描かれてきた世界観を、現実の人物によって再現した番組といえる。
当然、こうしたヤンキーを美化する物語が好きな人もいれば嫌いな人もいる。特に加害行為を受けた側には受け入れ難い。ただ、配信されたNetflixは有料の動画配信サービスであり、能動的に見ようとしなければ避けることができる。
ところが、『ラヴ上等』シーズン2では状況が変わった。出演者が過去に人に火をつけたことがあると語った場面がSNSで拡散され、番組を見ていない人たちからも批判が集まった。
さらに、法務省が更生保護の啓発活動として番組とタイアップし、出演者を起用したポスターを作成したことで、国が過去に加害行為をした人物を広報に起用するのかと批判が強まった。
過去の加害行為をめぐる『ラヴ上等』への批判と、キャバクラ嬢を主人公にしたミセスへの批判では、問題の性質は異なる。ただ、共通するのは、もともと一部の視聴者が楽しんでいたコンテンツが、普段は見ない人々の目にも触れ、批判が広がったことだ。


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