講師を務める鎌田眞実さんは2010年に入社した。北海道福島町の出身のため、入社まもないころに駅係員として勤務した藤沢駅では「乗り換え先のJR線の駅についてたずねられても、よくわからない状況でした」。その後は車掌の現場でキャリアを積んできた。
乗務員になるために膨大な知識を身に付ける必要があるが、後輩たちに対しては「私のような電車がない町から出てきても人に教えるところまで来ることができるんだよ、ということを伝えたい」という。
実は本物の電車もすぐ近くに
研修センターで学ぶのは知識や技術ばかりではない。鎌田さんは「私はこれまでの各職場で上司や同僚に恵まれていたので、出会った人との関係性を深めておくことがのちのち役に立つかもしれない、人生を豊かにするかもしれない、ということも教えたい」と話す。
副所長の町田眞基さんは1988年の入社。91年に運転士となって以来、2018年から4年間の本社勤務を除いて運転の現場にいた。副所長になる2024年までの2年間は運転士が所属する足柄電車区(当時)の区長を務めた。「現場で絶対に自分のためになる、と感じて積極的に受講してもらえるようにすることが大事」と強調する。
町田さんは「小田急の研修センターは車庫に隣接しているため、実際の車両で確認しに行くことが簡単にできます。ほかの鉄道事業者さんでは近くにないことが多いらしく、うらやましがられます」と語る。
閑静な住宅地が広がり、緑豊かな公園の下に電車の車庫がある喜多見。“住みやすい街”というだけでなく、社員の研修や養成をするにあたっても、なかなか恵まれた環境なのかもしれない。

