テレビに出演していた頃とは、心持ちも違うという。
「以前、よくテレビに出演していた頃は、収録の前日は食べ過ぎないとか、絶対に遅刻しないようにと、毎回ひどく緊張していました。今もYouTubeの撮影の日はドキドキしますけど、当時よりはリラックスしてやれています」
YouTubeに懸ける思いは、日々の過ごし方にも表れている。
「けがをして仕事に穴を開けたら申し訳ないので、YouTubeを始めてからはゴルフには行っていません。日焼けにも気をつけています」
「得体の知れない世界」だと思っていたYouTubeだが、寄せられるコメントの多くは温かいものだという。
「夜中に目が覚めた時、どんな感想があるのか気になって、その日の動画のコメントに目を通すこともあります。ありがたいことに、楽しい、嬉しいコメントがほとんどです。でも、好意的な反応だけをもらって安心したいわけではなく、ときどき鋭いご指摘もあるので、そこも確認したいという思いがあります」
若いチームに、体を預けてみる
自身初の試みとして、2026年には、台湾の料理リアリティ番組『開火開伙』に出演した。日本チームと韓国チームが17日間で台湾の13都市を巡り、現地の食材を使った料理で対決する番組だ。この話を持ち込んだのも荒木さんだ。最初に話を聞いたとき、川越さんは乗り気ではなかった。
「背負うものが重い番組だし、家族のこともあるし、やりたくないとごねたんです(笑)。しかし、台湾側の社長さんに直談判され、荒木からも頼まれ……。YouTubeを始めた時とまったく同じで、じゃあ腹を決めて、全力でやるかと」
今後の展望について尋ねると、川越さんは「荒木に体を預けている」と即答した。
「荒木が、僕のことをどうしていきたいのか。それに順応できれば、また何か面白いことがあるのかなと思っています。荒木は、僕の娘でもおかしくない年齢ですが、大切な人たちや仕事に対する考え方の根幹が近いから、信頼できる。そのチャレンジに賭けてみてもいいのではないかと考えいます」
荒木さんもまた、川越さんとのチームワークに意欲を見せる。
「私たちのチームは全員若いので、川越シェフにとっては、日々の仕事そのものがチャレンジの連続なのではないかと思っています。これからも私たちを見捨てず、一緒に挑戦し続けてほしいです」(荒木さん)
かつてのお茶の間の人気シェフは今、若いチームとともに心を躍らせている。
「こんな楽しい世界が待っていたとは思わなかった。若い時の自分に言ってあげたいです。50代、面白いぞって」



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