こうして、物件検索サイトには同一物件が新築でも中古でも販売されているケースが存在する。新築は値引きがないが、中古は売出価格なので、成約価格はこれを大幅に下回る金額になる可能性がある。
日本経済新聞で売り出し単価と成約単価が4割ほど離れて「ワニの口」現象が起きていると報じられた。この単価差は通常は1~2割であったが、24年以降、このように乖離した状態になり、相場が吊り上げられてきた経緯がある。
「転売ヤー」と仲介会社と金融機関
この相場の吊り上げの当事者が、転売目的で新築を購入する法人だ。24~25年に転売目的で購入する法人が増え、都心の資産性の高そうな物件では登記簿を調べると3割程度を日本の法人が購入している。この目的は、値上がりする都心マンションを資産として所有し、いずれ売却して利益を得ようというものである。誰も住まずに転売になることもある。
こうした法人の購入資金にコロナ禍の「ゼロゼロ融資」が使われたという取材結果が『強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る』(吉松こころ著)にある。ゼロゼロ融資とはコロナ禍の2020年3月以降に中小企業に行った実質無利子・無担保の融資で、当初3年は無利子、4年目以降は1.1%程の金利だった。
その貸出総額は約42兆円で、約240万件以上が実行された。単純平均すると1件当たり約1750万円で、最大3億円まで借りられたことになる。その返済据置期間は最長5年、返済期限は10~20年なので、購入資金に使われていても不思議ではない。
同書には以下のような記述もある。ある不動産会社の社長は銀行とタッグを組み、都心の不動産を売りまくった。銀行は法人の口座にいくらあるかわかっているので、メガバンクの営業担当に紹介されたという。売買成立時に銀行が受け取った手数料は3%で、金利よりも手っ取り早く、金額も大きい。


※ログイン後、コメント入力が可能です。