それは松をはじめとする常緑針葉樹は生命力が強いため、古木が多く残っているからです。
やはり長い年数をかけた樹には、若い樹にはない迫力と魅力があります。特に、松類の樹皮は年数を重ねるとミルフィーユ状に層を増やしていき、これが盆栽の見どころとして評価されてきました。
この松類にシンパクやヒノキを加えた常緑針葉樹を総称して、盆栽界では「松柏(しょうはく)盆栽」と呼んでいます。
二葉松と五葉松はどこがどう違うか
それでは、松の種類を見ていきましょう。
名前はなんとなく聞いたことがあるという人も多いものの、世間では微妙に知られていないのがゴヨウマツ(五葉松)です。
アカマツやクロマツのように二本の葉が一組となる「二葉松」と異なり、その名前の通りに針状の葉が五枚に分かれる樹種なのです。
盆栽の名木を見ていくと、このゴヨウマツが非常に多いことに気づきます。実はゴヨウマツは特別に、盆栽に仕立てやすい松なのです。
皆さんもアカマツやクロマツの松葉を持ったことがあると思います。だいたい7cmくらいの長さがありますね。
盆栽の小さな梢にこの長さの葉が付いても、アンバランスになってしまい、大木を縮小した感じは生まれません。
その点、ゴヨウマツは違います。葉の成長が2cm程度の長さで止まるため、比較的簡単に大木をそのまま小さくしたような印象を生み出せるのです。こうした葉の性質からか、ゴヨウマツは「姫小松」などとも呼ばれてきました。
また山岳部や寒冷地に自生している樹であるというのも特徴で、あまり庭園などでは見かけません。昭和時代に山から盛んに採取され、多くの盆栽が作られました。

