具体的には、大手企業36社の人事部門責任者・マネジャーに転勤廃止についてアンケート・ヒアリング調査を実施。2022年4月にも34社に調査しており(うち29社は同じ企業)、回答は以下のとおりでした。

転勤廃止が頻繁に報じられていますが、調査の範囲ではまだ主流にはなっていません。ただ、「検討していない」が減って「検討中」が増えており、この4年間で転勤廃止が企業の重要課題になったことは間違いなさそうです。
22年の「検討していない」から今回「検討中」に回答が変わった企業は、検討を始めた理由を次のように説明しています。
「このところ、新卒採用で大苦戦しています。人事部門としては転勤を廃止したくありませんが、同業他社が踏み切ったことから、これ以上は就職人気を落とさないように検討を始めました」(金融)
「昨年20代の社員が転勤辞令を受けた直後に退職しました。昔からそういうことはたまにあったのですが、ショックを受けた社長から『早急に検討しろ』という指示が来て、検討を開始しました」(輸送機)
「エリア総合職」は解決策にならない?
過半数の企業が「検討中」と回答しているものの、簡単にはいかないようです。「検討を始めたならさっさと廃止すれば?」と思いますが、多くの企業が転勤廃止の難しさを強調していました。
「当社には地方の製造拠点が多数あり、マネジメント層の多くは本社など他地域からの転勤者です。転勤がなくなるとマネジメント層が不在となり、事業が成り立たなくなります。子どもの教育や親の介護といった事情には配慮しますが、全面的な転勤廃止は困難です」(機械)
「事業部門による好不調の波が大きく、不調で人員が余った部門から好調で人員が足りない部門に異動(=転勤)させることで、なんとか雇用を維持しています。転勤を廃止すると、雇用の調整弁がなくなり、雇用維持が極めて難しくなるでしょう」(重電)


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