SNSで生活者の発信が広がる一方、企業には商品の正確な情報を伝える役割がある。ちふれは、企業によるPRと、実際に商品を使った人のクチコミには、それぞれ異なる役割があると考えている。
PRでは商品の特徴や使い方を正確に伝え、ブランドへの信頼につなげる。一方、実際に使った人の投稿は使用感や個人の感想を通じて共感や親近感を生み、ほかの人が商品に関心を持つきっかけになる。
企業が正確な情報を提供し、消費者が自分の経験や言葉で商品を評価する。それぞれの発信が異なる役割を果たすことで、商品の理解や関心が広がっていくという考え方だ。消費者による投稿は企業側が内容をコントロールできるものではないからこそ、企業として必要な情報を届け、その後の評価は消費者に委ねることを重視している。
また、情報発信では商品の機能性だけでなく、開発の背景や他社商品との違い、消費者や社会にどのような価値をもたらすのかも伝えるようにしているという。
老舗ブランドを「守るために変える」
今回の取材で印象に残ったのが、岩下さんの「変えるために変えない」という言葉だ。
ちふれが変えようとしているのは商品開発の体制やスピード、若い世代との接点、情報の届け方。一方で、適正な価格で商品を提供し、消費者に必要な情報を開示するというブランドの根幹は変えない。
長年支持されてきたブランドにとって、歴史は強みである一方、次の世代にその価値を届けるためには、変化も必要になる。
昔からあるブランドだからこそ、変えない。そして、長く続いてきたブランドだからこそ、変えていく。
2027年の創業80周年を前に、ちふれは守るべき価値を見失うことなく、その魅力を次の世代に届けるための変化を続けている。


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