ちなみに、アメリカでは仕事のパフォーマンスとは関係なく会社都合の組織変更のため社員をクビにすることをレイオフ(layoff)といい、個人のパフォーマンスが芳しくないためにクビを切ることをファイヤ(fire)といって明確に区別している。
また、雇用が流動的なアメリカでは、レイオフされたことを恥ずかしく感じたり、隠したりはしない。
不穏な迷惑メールを受け取る
ベッドに入る前には、翌日の予定をチェックするのがお決まりだ。23年1月19日木曜日、あの日もルーティーンどおりにスケジュールを確認した。翌日の午前は半日休暇を申請してあった。午前中に歯医者に行く予定を入れていたからだ。
「そうか、明日は朝早くサンノゼまで行かないといけないから、ジョギングをしている時間はないかも。久しぶりにゆっくり起きようかな?」
そんな気持ちで、深夜1時頃ベッドで横になった。まあ、ゆっくり起きるといっても、せいぜい7時起床だ。
そして夜が明けた金曜日の朝、アラームの音で目を覚まして出かける準備を始めた。毎朝真っ先にするのは、携帯でメールをチェックすることだ。
いつものように会社のメールを開こうとすると、不思議なことになぜかページが読み込まれない。仕方なく、会社のアカウントではなく個人のメールボックスにアクセスした。
“Notice regarding your employment”(雇用に関する告知)というタイトルの新着メールがボックスの一番上で点滅していた。メールの出だしはこうだった。
“We have some difficult news to share. We are reducing our workforce and are very sorry to tell you that your role is impacted and we no longer have a job for you at Google.”
(大変心苦しいお知らせです。グーグルは一部人員の削減を決定し、誠に遺憾ながら、あなたはその対象となりました。あなたのグーグルにおける職務がなくなったことをここにお知らせいたします)
「ええっ? 今日からグーグルでの私の仕事がなくなったって? エイプリルフールでもないのに、朝っぱらからイタズラメールなんて」
迷惑メールがあまりにたくさん送られてくるので、これくらいは愛嬌のあるほうだなと思いつつ、最初の2文くらいだけ読んでメールを閉じた。


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