――小さな子どもの気持ちがわかるんですね。
当時の絵の勢いのよさと、「あとがき」に残された子どもへの眼差しを知って、これは出したほうがいいんじゃないかと素直に思うことができました。母のオリジナルの「あとがき」は、親御さんに向けられたメッセージなので、ぜひ読んでいただきたいと思います。
“正しさ”に息苦しさを感じる子どもたちへ。「そのままでいいんだよ」と伝えたい
――時を経て、このシリーズを出すことに、どのような意味があると思われますか?
今、お母さんたちは、すごく孤立しています。道を歩いていても、電車の中でも、周りに迷惑をかけないように必死です。子どもがちょっとでも騒いだりすると、すぐさま「ちゃんとしなさい!」って言っていますよね。それはお母さんも、周りに何か言われないかとドキドキしているからです。
――確かに子どもを連れ出すのに、緊張をしなくてはいけない時代になりました。
子どもなんて本来、ワーワー騒ぐものですよね。昔はそんなときにも「あら、かわいい」なんて言われたりしました。だから今のお母さんたちは、本当にきついだろうと思います。その緊張感を、この本でいくらか和らげることができるのではないかと思います。改めて出版する意味は、そこにあるのかなと。
――このシリーズには、等身大の子どもが描かれていますよね。子どもって本来、こういうものだよね、ということが伝わってきます。
子どもに「ちゃんとしなさい」と言う必要はないんですよ。「そのままでいいよ」と言ってあげたほうが、長い目で見たらいいところに着地できると思います。お母さんもそんなにちゃんとしている必要はなくて、1日に30分でも、難しければ10分でもいいから、自分の時間をつくるようにするといいと思います。お母さんが、すごく怖い顔をしていると、子どもは不安になります。多少手を抜いたとしてもニコニコしていたほうが、子どもはうれしいものなのです。母も、相当手を抜いていましたから。だからって、子どもがお母さんを嫌いになるかといえば、そんなことはありません。完璧でなくても、お母さんがリラックスしているほうがいいんですよ。


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