有料会員登録
ビジネス

AIや3Dプリンティングで医療DXに挑む台湾企業、日本の高齢化や人手不足に応える最新技術

7分で読める
台湾エクセレンスブース
Medical Japan 2026に出展した台湾エクセレンスブース(写真:筆者撮影)
  • 山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト
2/4 PAGES
3/4 PAGES

一方、映像入力の現場革新に挑むのがアバー(AVer)である。同社のカメラシステムは、医療安全規格適合やアルコール清掃対応など病院特有の衛生基準をクリアしている。AI機能や追尾を備え、カメラヘッドを着脱して患部の近距離撮影ができるため、遠隔診療や手術記録、施設の見守りなど幅広く活用されている。

3Dプリンターとデジタル技術が変革する臨床現場

医療DXの波は、AIや画像処理にとどまらず、ものづくりの手法そのものを変革する技術にも及んでいる。とりわけ患者個々の体格や症状に合わせた完全オーダーメイドが求められる臨床現場では、3Dプリンティング技術の活用が進んでいる。日本でも歯科領域等で保険適用が広がったことで、デジタルデータを軸とした新たな治療ワークフローが定着し始めている。

フローズン(Phrozen)の歯科用3Dプリンティングシステムは、歯科医療現場でのアナログからデジタルへの移行を大きく支援するソリューションだ。従来は、患者の口の中にセメント状の印象材を数分間入れて歯型をとり、それを物理的に歯科技工所へ郵送・搬送するという手間と時間がかかるプロセスが一般的だった。

フローズンテックの歯科用3Dプリンティングシステム(写真:筆者撮影)

この課題を根本から変えるために、口腔内3Dスキャナと3Dプリンターを活用したデジタルワークフローが登場している。歯科医院では専用スキャナを使って患者の歯並びをデジタルデータ化し、オンラインで歯科技工所へ即座に送信する。これにより歯型模型作成までのリードタイムが大幅に短縮されるのだ。

ただしこれまで実用化されてきた3Dプリンティングには大きなボトルネックがあった。それは材料である液状レジンの撹拌、造形後の洗浄、仕上げの二次硬化など、プリント前後の手作業が多大な負担になっていた点である。 フローズンテックのシステムは、高粘度レジンの加温・撹拌機、大容量の自動洗浄機、そして精密な二次硬化機までをトータルでシステム化。誰でも手作業に頼らず、詰め物・被せ物のベースや矯正治療に欠かせない高精度な「歯の模型」を安定して制作できる環境を実現し、歯科医療の現場に革新をもたらしている。

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数