取引記録やユーザーの情報は、一定期間の保存が必要である。しかし、それは免許証画像そのものを長期間保存する必要があることを意味しない。免許証画像を退会後7年間保存することは、法令によって一律に義務づけられているのではなく、同社が説明する「なりすまし対策などを目的とした判断」である。
退会した消費者は、企業との関係が終了したと思っている。それにもかかわらず、自分の免許証画像などが企業に保存され続け、何年も後に漏洩する。これは消費者にとって予想しにくい事態だ。
個人情報保護法22条は、利用する必要がなくなった個人データについて、遅滞なく消去するよう努めることを企業に求めている。もっとも、これは努力義務であり、退会後の保存が直ちに違法になるわけではない。問われるべきは、保存する情報の種類と期間、そしてその必要性である。
「いつ悪用されるかわからない」免許証を作り直しても消えない不安
今回の事件の最大の特徴は、被害がいつ発生するかわからないことだ。情報が漏洩しても、直ちに悪用されるとは限らない。半年後、1年後、あるいは数年後に犯罪に使われる可能性も否定できない。
被害者は、その間ずっと自分の情報が悪用されないか気にし続けることになる。身に覚えのない請求が届かないか、知らないうちに借金をされていないか。不安は長期間続く。何も悪いことをしていない消費者が、今後何年も自分の信用情報を確認し続けなければならないとすれば、その時間的・精神的負担を誰が引き受けるべきなのだろうか。


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