有料会員登録
ライフ

『人間失格』を英語にできる? 英語の勉強がとたんに面白くなる「翻訳家の目線」で好きな作品を感じる面白さ

8分で読める
英語
英語を暗記科目から、言葉の意味を考えるゲームにするには?(写真:Graphs/PIXTA)
  • 西岡 壱誠 一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事・ドラゴン桜2編集担当
2/5 PAGES
3/5 PAGES

小説だけではありません。アニメや漫画でも、同じ楽しみ方ができます。日本語には、性的な意味で「食べられる」という表現があります。以前、あるアニメで、こんなやりとりがありました。

「あいつだって男なんだから、油断していると食べられるぞ」

「えっ、丸のみされるの?」

「そういう意味じゃないよ!」

2つの意味が食い違うことで、笑いが生まれている場面です。

これを見たとき、僕は気になりました。「英語ではどう訳しているんだろう。『食べる』をそのままeatにしても、この笑いは成立しないのではないか」と。

アニメの「食べられるぞ」は、英語でどうなる?

僕が見た英語字幕では、eatではなく、devourという単語が使われていました。devourは「むさぼり食う」という意味です。それだけで常に性的な意味になるわけではありませんが、「相手をむさぼるほど強く求める」「欲望を込めて見つめる」といった比喩にもつながる言葉です。

そのため、文脈によっては、文字どおり「食べる」という意味と、相手を激しく求めるという意味を重ねることができます。

翻訳家が守ろうとしたのは、日本語の「食べる」という単語そのものではありません。「二つの意味が重なり、それを一人だけ勘違いする」という会話の仕組みです。

単語を一つ覚えるにしても、こういう形で出会うと、なかなか忘れません。

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数