2026年9月30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ発イスラエルのテルアビブ行きのフライドバイ航空でハイジャック未遂事件が起きた。犯人はフライドバイの副操縦士で、機長を襲ってハイジャックし、飛行機自体を墜落させようとした。
一歩間違えれば、かつてのニューヨークでの9.11同時多発テロのような大惨事になっていた可能性のある事件だった。未遂に終わったのは、機長をはじめ機内にいた勇気あるイスラエル人たちが団結して戦ったためだ。
そもそも9.11以来、飛行機に搭乗する際のチェックが厳重になり、ハイジャックは起きにくい環境になっているはずだった。またイスラエルと国交のない国の国籍を有する人間が、なぜテルアビブ便の副操縦士に選ばれたのか、そしてどのように凶器を持ち込んだのか、現段階で解明されていない部分は多々ある。
搭乗者たちの証言
メディアの情報も若干錯綜しているが、概ね事実が確認されているものと、搭乗者の証言を元に、時系列に沿って事件を整理してみよう。
9月30日の午前6時5分(イスラエル時間、以下同)、ドバイ発テルアビブ行きフライドバイ航空FZ1073便は、ドバイを離陸した。座席は満席だった。
この路線は20年9月に署名された「アブラハム合意」で、イスラエルとUAEの国交が正常化されたことにより、同年11月に就航がスタートした両国を結ぶ直行便だ。
イスラエルではにわかにドバイがブームになった。コロナ禍にもかかわらず、UAEは隔離期間が免除されていたのもあり、ドバイへの訪問客が急増した。1日2便程度で始まった直行便は、1日最大10便にまで需要が拡大した。
といっても、乗客のほとんどはイスラエル人だ。この便も、乗客174人のうち9割近くはイスラエル人だった。


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