――新しいアイデアとして将来的にGT3がターボやT-ハイブリッドになる可能性があるということでしょうか。
モーザー:そうですね。正直なところ、これからはターボチャージャーなのかなという気がしています。ただ、自然吸気エンジン自体が禁止されているわけではありません。しかし、排ガスを減らすとなるとパワーが出せない。今後は自然吸気だとパワフルなエンジンが作れないということになってしまうため、1つの選択肢としてはやはりターボチャージャー、重量的にもT-ハイブリッドよりはターボなのかなという気はします。
――現在、911のラインアップにおいて、GT3(最高出力510PS/0-100km/h加速3.4秒)よりもGTS(最高出力541PS/0-100km/h加速3.0秒)のほうが最高出力も加速性能も優れているという下剋上が起きています。GT3はそもそもの成り立ちとしてサーキットでは最速であることが運命づけられたモデルであると思います。そのあたりのバランスやヒエラルキーについてはどのようにお考えでしょうか。
モーザー:個人的にはそれぞれのモデルの価値は必ずしも加速や最高速度だけではないと思っていて、GT3とGTSの違いは別のところでも出せると思うんですね。GT3はダブルウィッシュボーンのフロントアクスルを採用しており、非常にステアリングが正確で、コーナーを曲がる時の感覚にも独特のものがあると思います。このようにGT3には、常にモータースポーツ部門のテクノロジーを市販車に移植することを行っています。そういう意味でもGT3とGTSの個性の違いは出せると思っています。
将来的なポルシェのデザインについて
――デザインについてなのですが、今年、20年にわたりポルシェのデザイン部門を率いたミヒャエル・マウアー氏が退任され、後任には元マクラーレンのトビアス・シュールマン氏が就任されたと聞きました。デザインと開発チームはどのような連携をとっているのでしょうか。
モーザー:ご想像のとおり、デザインと技術的な側面の両立は簡単なことではありません。例えばデザイナーはスムーズな面をつくりたいからドアハンドルをなくしたいし、エアインテークもつけたくないという。そこはもう繰り返し、繰り返し、交渉と議論を重ねていきます。


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