――最新の911には初のハイブリッドモデルが登場しました。一方でGT3(911シリーズの高性能モデル)のような自然吸気エンジンを搭載したモデルがあります。それぞれの魅力とはどのようなものでしょうか。
モーザー:ハイブリッドモデルには、カレラシリーズのトップエンドモデルである「GTS」、そしてその技術をさらに高めた「ターボS」の2モデルがあります。T-ハイブリッドと呼んでいますが、動力性能はもとより環境性能に対しても万能で非常にユニークなテクノロジーです。
一方で「GT3」では、さまざまな法規制により存続が難しくなってきている自然吸気エンジンを守りたかったという意図があります。排ガス規制に対応するため、ヨーロッパでは30%、北米と中国では40%削減する必要があったため、それは容易なことではありませんでした。
そのため、4つの触媒コンバーターを装着する必要がありました。しかし、これら触媒によってパワーはダウンしてしまいます。以前のモデルと同じ最高出力510PSを得ることを開発目標として、MTとPDK(ポルシェ・ドッペルクップリング:デュアルクラッチ式オートマチックトランスミッション)の両方でギア比を8%下げてそれを成し遂げ、俊敏で、より即応性の高いものにすることができました。
自然吸気エンジンの911 GT3存続の可能性
――今年の11月には欧州でEuro7という排ガス規制が始まります。その規制が施行されると、今のGT3の自然吸気エンジンはその規制をクリアできないと聞いています。自然吸気のGT3はいつまでつくることができるのでしょうか?
モーザー:そのとおり、Euro7は自然吸気エンジンにとって非常に厳しいものです。これまでは、さきほど述べたように触媒やギア比の変更などによって規制をクリアしてきましたが今後は難しくなる。おそらく現在の自然吸気エンジンは2027年末までかなと想定しています。
その後、GT3をどうやって継続していくのか。何か新しくいいアイデアを出さなければいけないと思っています。Euro7は排ガスだけでなく、騒音の規制も厳しくなっており、これらをクリアするのは非常に困難なものです。


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