個人的に美点と感じられたのはステア特性の変化だ。切り始めはEPSのアシスト量を弱め、高めたバネレートの一体化で車体を軽く動かして鼻先を変える。さらにここから大きく切り込んだ際には逆にEPSのアシストを強めて遅れをなくす。
反対にハンドルを戻す際、戻し始めはEPSのアシスト量を増やして車体の向き変えをサポートし、直進になるに従ってアシスト量を減らしてセンター位置へのいざないを明確にする。足さばきの変更と、EPSアシスト量の領域を変化させることで、より小さいクルマを運転している感覚が強くなった。
つまりPSはこれまで以上に「軽く、小さく、スッキリ」となるような乗り味を目指し、RSはさらにシートの変更を加えることで、ドライバーに伝わる各動きをより明確にした。言葉での比較は凡庸だが、実際、乗り味は大きく異なる。結論として、市街地中心ならPS、サーキット走行まで視野に入れるならRSがいい。
Sスペシャルパッケージと比較した場合の違い
さてこのPSだが、中核グレードであるSスペシャルパッケージと比較すると何を感じるか。ここも結論からいえば筆者の好みはSスペシャルパッケージだった。PSのスッキリ感は明確で新鮮だし、新しいマツダ ロードスターの顔として太鼓判が押せる。事実、山道では一層、気持ちよく走れた。
だが、ND型の美点は「小さいけど、おおらか」にある。この感覚を愛車として過ごした7年半、ずっと抱いていた筆者からすると、PSは「きっちり」を全面に出した感が強く、やや前のめりになる走りを求められているようで、どこかソワソワしてしまった。
たしかに、PSとRSが採用した新しいサス特性はフラットライドだ。誰もがその違いをすぐに体感できる。たが、同時にマツダがこれまで主張してきた「タメ」の部分は消え去った。


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