色褪せ、汚れ、穴――。新品の服であれば、通常は「価値を下げるもの」と捉えられそうな要素を残したTシャツが、1万円を超える価格で売れていく。
東京・南青山にある「H BEAUTY&YOUTH(以下、H)」の地下1階、「H_VINTAGE」で起きている光景だ。
Hは、ユナイテッドアローズが展開する「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」のコンセプトストアとして2016年にオープン。約1300平方メートル・3層の店内に、オリジナル商品や国内外のブランド、ヴィンテージをそろえ、新品とヴィンテージを同じファッションの選択肢として提案してきた。
もちろん、ヴィンテージ市場では昔から希少なTシャツやデニムに高値がつき、数十万円、時にはそれ以上を払うコレクターも珍しくない。だが、いま売り場で起きている変化は、単なる価格高騰とは少し違うようだ。
高価格帯の古着を若い世代が買う
取材時には約6万円のアディダスのレザーパンツや、約5万円のPRADAのシャツが並び、Tシャツも1万円台から。そうした高価格帯の古着を、年代やディテールを熟知したコレクターだけでなく、若い世代も新品と同じように選んでいるという。
古着熱が再び高まるなか、いま何が起きているのか。Hの立ち上げから携わり、約10年にわたりヴィンテージの売れ方を見てきた福崎章仁さんに聞いた。
Hは古着専門店ではないが、2016年のオープン時から地下1階にヴィンテージ売り場を設けていた。その後、ヴィンテージは2階などで展開を継続しながら、同フロアはアウトドアにフォーカスしたキュレーションの売り場にしていたこともあった。今年4月、地下1階を再び大きく使い「H_VINTAGE」としてリニューアルした。


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