今回、そんな人間の本質に進化心理学で迫り、左派と右派、女性と男性、集団主義と個人主義など、ヒトとその社会を「つながり」と「自主性」という2つの欲求の綱引きで説明するとともに、現代人の不幸の原因はこの2つの欲求のバランスの崩れにあると指摘する『誰かと一緒にいたいけど、1人になりたい:つながりと自主性の進化心理学』について、明治大学情報コミュニケーション学部教授で認知科学が専門の石川幹人氏に話を聞いた。2回にわたってお届けする。
人間の感情はどこから来たのか
進化心理学は、我々人間も生物であり、他の生物と同じように祖先から進化してきた、ということをゴールデンルールとする理論です。
人間の感情や行動傾向を進化心理学で説明するためには、そのような感情や行動が身についた過去の適応的歴史、つまり「環境に応じてこのような生活をしていたから生き残りやすかったのだろう」というような、考古学的、人類学的な仮説を立てていきます。
例えば、「恐怖」は危険回避の反応ではないかなど、どういう環境でどういうメカニズムがあり得るかを考えるわけです。「恐怖」については、危険回避の反応で間違いないだろうというコンセンサスができていますが、「後悔」などは仮説にバラエティがあり、解明にはもう少し時間が必要かもしれません。



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