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ライフ #浪人したら人生「劇的に」変わった

「司法試験10浪→32歳で断念」昭和では"当たり前"だった浪人経て人生を再考…58歳の男性が行きついた意外な"天職"

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10年間司法試験に挑戦。32歳で断念した近藤俊一さん
10年間司法試験に挑戦。32歳で断念した近藤俊一さん(写真:近藤さん提供)
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その中からマンション管理士の仕事を選ぶと、近藤さんの浪人の日々で学んだことがかみ合い始めます。分譲マンションの管理組合のコーディネーターという仕事には、法律・建築・会計など様々な知識が必要で、さらに実務では決まった正解がありません。住民それぞれの個性や価値観をまとめながら、一緒に考えるスタイルが求められました。

「自分が司法試験の論文で落ち続けた理由は、『個性あっていいじゃん!』という考え方が染み付いていたからだと思うんです。法律・条文という事実を答えなければならない司法試験で回答に個性を出そうとしたからダメだったのかなと。

でも、マンション管理士の世界では、『個性あっていいじゃん!』が正解になるんです。個々のマンションの課題に対応するために、どう対応すればいいか、街づくりをするために何をすればいいかと個性を出すことができる仕事にやりがいを感じています。それができるのも、10年間で背景にある事実を徹底的に学ぶ癖がついたおかげだと思います。10年間落ち続けた理由が、別の世界では一番の強みになりました」

マンション管理士になった近藤さん(写真:近藤さん提供)

近藤さんによれば、司法は法律という枠組みの中で個々の価値観を実現する役割を担う一方、マンション管理は個々の価値観が最大限尊重されることを大前提に、多種多様な価値判断を複層的にまとめながら管理組合を運営することで、個々の価値観を実現していく仕事だといいます。マンション管理における「適正」の基準は国が法律などで示しているものの、その基準に必ずしも見合わなくても、区分所有者自身が適正と判断して管理組合運営を続けているマンションも数多く存在するそうです。

遠回りの末…出会った“天職”

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司法浪人を経験したことで、人の価値観には法律だけでは捉えきれない部分があることを学び、また大学生活で多くの友人たちの異なる価値観に触れたことで、一人では想像もできなかった新たな感動を得られることも知ったと近藤さんは振り返ります。

「マンション管理士であることは、自分の個性を生かせる天職だと今は思っています。浪人しながらも大学生活を経験できたこと、そして司法浪人を通じて法律と個人の幸福の関係を考え続ける機会に恵まれたことが大きかったと思います」

「流れに任せ、あらがわない」という価値観を貫いてきたという近藤さん。司法試験という「答えのある世界」で10年間もがき続けた末に、「答えのない世界」でようやく自分の居場所を見つけた歩みは、遠回りに見えて、実は必然だったのかもしれません。

(写真:近藤さん提供)
教訓:落ち続けた理由が、別の場所では最大の強みになることがある。

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