醜悪な実態を明らかに
「世界を食い尽くす」という物々しいタイトルを冠するプライベート・エクイティ(以下、PE)は、1980年代の金融化の規制緩和の中で、またその後に成長した迅速な業績改善コンサルティングの手法の一つとして、目立たずに存在してきた。
しかし本書『プライベート・エクイティ資本主義が世界を食い尽くす』は豊富な事例を挙げ、その醜悪な実態、癒着と責任回避、システミック・リスクの増大を明らかにする。著者ブレンダン・バルーはアメリカの現役弁護士で、司法省PE担当特別顧問を務めた経験がある。
原著はアメリカ向けだが、その内容は日本の読者にとってもおよそ他人事ではありえないものである。
バルーには、2021年の連邦議会議事堂襲撃事件の起訴に関わった経験もあり、権力とカネの癒着による社会の破壊と日々闘っている。
昨今も「大統領の公式声明は公衆に向けられたものであり、少数の富裕層にではない」(Time誌26年9月7日号4頁)とする見解に実名を示すなど、メディア露出もいとわない。むしろ現代的なメディアを含め、大いに活用しているようだ。



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