商品第一弾の発売後も、リンさんは本業と並行して新商品の開発やSNSの発信を続けた。転機は2024年、リンさんは夫の海外異動に伴い、電通を退職した。1年後に帰国し、会社に戻る選択肢もあったが、Curly Meに専念する選択をする。
「会社の人も戻ってきてほしいと言ってくれて、すごく迷いました。でも、カナダ人の友だちに『会社員の仕事は誰にでもできるけど、Curly Meは他の誰にもできない』と言われて。そうだよね、人生1回なんだからって思い、決めました」
ヘアクリームやムース、オイルも…シリーズ累計販売数27万個
このとき、リンさんには「人を雇う」責任も生じていた。
初期は父親がお金周りを管理するスタッフとしてリンさんを支えたが、徐々に業務委託で仕事を任せるメンバーが増え、現在は16人になった。スタッフは全員女性。高知や仙台、沖縄、ドイツなど、世界各地からフルリモートで働いている。
勤務時間は週5時間からでもOKにしており、週5~10時間で働くメンバーが多いという。好きな時間に働けるからと、子育てをしながら参加している人もいる。これらの各スタッフで、ECサイト運営や問い合わせ対応、在庫管理、経理、SNSなどを担当している。
リンさんがひとりで始めたブランドは、クラファンを始めた当初はスタイリングジェル1500個のみの生産だった。その後、ヘアクリームやムース、オイルなど種類を増やし、2026年現在、シリーズの累計販売数は27万個になった(2026年8月時点)。同年の年商は、前年比50%増の3億円を超える見込みだ。
急成長できた要因は「スタッフが増えたことで、やりたいことに挑戦できたから」だという。2025年に楽天に出店。公式LINEの開設やプレスリリース、スポンサー提供なども初めての試みだった。メンバーが増えたことでこれらの取り組みが可能になり、売り上げも飛躍していった。
今後は社員を雇うことも検討中だ。リンさんは、人を雇用することに「プレッシャーもある」と正直に話す。
最初は「売れなかったら全部自分で使うしかない」と思って始めたCurly Me。仕事になることも考えていなかったのに、まったく予想していなかった未来が待っていた。


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