販売価格とのバランスを考え、まずは1500個つくることに決めた。ブランドを立ち上げるのに必要な金額は約300万円。貯金からの補填と、クラウドファンディングをして資金を集めることにした。
「最悪、もし売れなかったら残りの在庫を生涯かけて使っていこう、くらいの覚悟でした」
このとき、リンさんはブランドが仕事になるとは到底考えていなかったという。あくまでも趣味の一環として、そしてなにより、くせ毛に悩む人に届けたいという気持ちが強かった。
1500個は2カ月で完売→欠品状態になった
2022年2月にクラウドファンディングをすると、目標金額30万円のところ、最終的に120万円が集まった。そして、用意した1500個は2カ月で完売。欠品状態になり、すぐに次の1500個を追加発注した。
予想をはるかに超える反響だった。自宅は商品の段ボールで埋め尽くされ、まるで引っ越しのような状態になり、手伝ってくれる友人と手分けして発送した。
リンさんには商品開発の経験はなかった。しかも、「くせ毛を活かす商品」という日本では新しい分野だ。「どうして挑戦できたのですか?」と率直に聞いた。
「両親は20代でカナダにワーキングホリデーに行って、そのまま移住したんです。最初は英語もあまりしゃべれないから、動物病院で動物の足を押さえるバイトをしていたそうです。そこから、父親は楽器メーカーに勤めて、母親は花屋を起業しました。そういった両親の姿を見ていて、なにか自分で始めたいなっていう気持ちはありました」
リンさんは幼い頃から『カンブリア宮殿』や『プロジェクトX』のような経済系の番組が好きで、父親と一緒に見て意見を交わしていたという。クラファンに挑戦するときに不安はあったものの、「やっぱりビジネスは、最初はリスクを取ってからしかリターンはないってわかっていたので」と笑った。


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