9月19日に放送された「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日系)の一編「ある午後の野原夫婦だゾ」が、異色の内容で注目を集めている。脚本を担当したのは、お笑い・演劇ユニット「ダウ90000」を主宰する蓮見翔である。
主人公のしんのすけをほとんど登場させず、野原家のリビングで父親のひろしと母親のみさえがひたすら雑談を続けるという大胆な構成だった。しかもシリーズ初のワンシチュエーション、ワンカットで、約8分間にわたって夫婦の会話だけを見せていた。
内容としても、特に大きな事件が起きるわけでもなく、2人が他愛のない日常会話を繰り広げるだけである。その中に少しずつ笑いのエッセンスを忍び込ませていく蓮見らしい趣向だった。
通常回とは全く違う内容
普段の放送とは違う異色の内容だったことから、放送後はSNSでも賛否両論のさまざまな感想があふれた。「会話の内容が面白かった」と評価する声もあれば、ワンカットで画面の変化がほとんどないため「アニメとして見るにはちょっとつらかった」という意見もあった。いずれにせよ、通常回とは全く違うものを見せたことで、視聴者に強い印象を残したのは間違いない。
ただ、この大胆な構成は、蓮見翔というクリエイターの普段の作風を知っていれば、それほど意外なものではない。むしろ、今の蓮見に「クレヨンしんちゃん」を書かせるなら、こうなるのが最も自然だったとも言える。
本人も、今回の脚本を手がけるにあたって、普段の作風であるワンシチュエーションの日常会話にこだわったと説明している。その異例の形式は、決して奇をてらったものではなく、蓮見自身が自分らしいスタイルとして意識的に選んだものなのだ。


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