早さを追う理由は、客の回転率だけではない。果物は見た目の変化も早い。ミキサーで撹拌した果物は、空気に触れた瞬間から酸化が始まる。桃は5分もすればピンク色が茶色く変わり、シャインマスカットも同様だという。
おいしさだけでなく、見た目の美しさも一杯のうちなので少しでも早く飲んでほしいと青木さん。ペットボトル飲料の2.5倍という価格でも、客足は途切れない。青木さんは、その理由を味への評価だと考えている。
「味は体験なので、一度おいしい味を味わった人は、もう元には戻らないんです」
だから青木さんが重視するのは、初めての客が一杯を試すまでのハードルを下げることだ。
その一つが、来店客へのスタンプカードの特典だ。まずは気軽に一杯を飲んでもらい、また来たくなる仕掛けをつくる。2026年2月には紙のポイントカードを廃止し、アプリに切り替えた。
アプリ会員はすでに約34万人。彼らに、新商品やキャンペーンの情報を届けられるようになった。会員本人だけでなく、家族や友人に勧めてもらうことで、まだ利用したことのない人も入りやすくなる。さらに、誰が何を買っているかが見えるようになったので、この先の商品開発や販促にも生かしていく考えだ。
立地の選定も、提供時間の短さも、サイネージも、この「一杯目」を届けるための仕組みだ。
直営190店、大手参入に備えた「300店構想」
果汁工房果琳は、系列店を含め、全190店舗が直営で運営されている。フランチャイズは一切採用していない。


※ログイン後、コメント入力が可能です。